しかるにかかる御治世の結構に倦み誇りたるというべきか、実に安逸鼓腹に余りたるか、近来風俗転変し、奢侈超過し、上下その分限の程を失い、花麗日々に増し、月々に盛んになりて、人情うき立ち、根元の信義薄くなり、治世のありがたき御恩沢の程も弁えず、下賤のものまでも気象高ぶり、我儘に構え、得手勝手に身の栄耀を調ふる事のみ欲し、それに随つて内申に私欲の情募り、我より下たる者への権威をふるまひ、上たるには媚び諂い、虚言偽りて人を犯し奪う事を欲し、万事軽薄にのみ走り、表向きは穏和にして、礼儀も厚く見えて内心の実意薄く、忠孝の志もはるかに劣り、慈愛の情も薄くなり、物事すべて義理によらず、また賢愚に拘らず、とかく財利により、貧福を眼目とし、身の奢り飾りの美事なると、また見ぐるしくて、人の勝劣を沙汰する当時の振合ひなる故に、その身高くまた道を正しく守るといへども、貧しきは世に疎まれ、人に遠ざれらるるなり。その身卑しくまた愚かなるとも、財宝を貯えたるは世の上に敬し挙げられ、楽しみを貴人・高位と等しく極るなり。
We could only watch the earthly citizen lying and suffering from the wars. It shall also depend on being unable to sympathize with the miserable memory of the wars. We would like to confer the “the earth memory of wars" which the peaceful earth took over from the wars and precious experiences. We will summarize the earth memories of wars for a global citizen spirit who shall be trying to return the war from peace wave. ; earth.nowar@gmail.com ; @Jan / 1/2016 ENW
2016/09/22
人は不実に流れ、国は乱を機ざす。
世の風俗の移り変わる事、雲の起こるが如く、水の流れるが如く、人身の老いゆくが如く、昼夜止まらざるなり。人は不実に流れ、国は乱を機さず。人情一度軽薄に流れなば、再び性善に復しがたく、国家一度乱るるれば、再び収まりがたきし。古来の歴史にも見えし如く、治は保ちがたく、乱は鎮めがたし。すでに中古南北両朝の戦より、国々兵乱打ち続き、干戈止む時なく、世上道理絶え、礼儀廃り、君臣の道を失い、上君徳に背き、下臣道を絶ち、臣として君を失はん事を計り、君または臣を失はん事を思ひ、あまつさえ主君を弑して国郡を押領し、あるいは親子兄弟拒みて領地を争い剣鎗に及び、また同列朋友互いに計りて、権威を逞しくせん事を欲し、あるいは受領口宣なくしてほしいままに国の守を名乗り、さらに官職のためのみなく、尊卑の次第を失い、人心雲水の如く、危々として薄氷を渉り、耕田荒廃し、鰥寡孤独の類のみ多くでき、神仏仏閣破壊し、奸盗殺害、常の業となり、誠に天地の道理を失ひて、二百有余年を経るといへども、なお治むること能わず。時に当たりて城郭を砕き、国郡を犯し奪へる英雄豪傑はあまたありといへども、国を治め果せる人傑もなく、稀有に治め得る主将もその徳薄く、仁政の至らざるにや、永く保つこと能わず。
しかるにかかる御治世の結構に倦み誇りたるというべきか、実に安逸鼓腹に余りたるか、近来風俗転変し、奢侈超過し、上下その分限の程を失い、花麗日々に増し、月々に盛んになりて、人情うき立ち、根元の信義薄くなり、治世のありがたき御恩沢の程も弁えず、下賤のものまでも気象高ぶり、我儘に構え、得手勝手に身の栄耀を調ふる事のみ欲し、それに随つて内申に私欲の情募り、我より下たる者への権威をふるまひ、上たるには媚び諂い、虚言偽りて人を犯し奪う事を欲し、万事軽薄にのみ走り、表向きは穏和にして、礼儀も厚く見えて内心の実意薄く、忠孝の志もはるかに劣り、慈愛の情も薄くなり、物事すべて義理によらず、また賢愚に拘らず、とかく財利により、貧福を眼目とし、身の奢り飾りの美事なると、また見ぐるしくて、人の勝劣を沙汰する当時の振合ひなる故に、その身高くまた道を正しく守るといへども、貧しきは世に疎まれ、人に遠ざれらるるなり。その身卑しくまた愚かなるとも、財宝を貯えたるは世の上に敬し挙げられ、楽しみを貴人・高位と等しく極るなり。
しかるにかかる御治世の結構に倦み誇りたるというべきか、実に安逸鼓腹に余りたるか、近来風俗転変し、奢侈超過し、上下その分限の程を失い、花麗日々に増し、月々に盛んになりて、人情うき立ち、根元の信義薄くなり、治世のありがたき御恩沢の程も弁えず、下賤のものまでも気象高ぶり、我儘に構え、得手勝手に身の栄耀を調ふる事のみ欲し、それに随つて内申に私欲の情募り、我より下たる者への権威をふるまひ、上たるには媚び諂い、虚言偽りて人を犯し奪う事を欲し、万事軽薄にのみ走り、表向きは穏和にして、礼儀も厚く見えて内心の実意薄く、忠孝の志もはるかに劣り、慈愛の情も薄くなり、物事すべて義理によらず、また賢愚に拘らず、とかく財利により、貧福を眼目とし、身の奢り飾りの美事なると、また見ぐるしくて、人の勝劣を沙汰する当時の振合ひなる故に、その身高くまた道を正しく守るといへども、貧しきは世に疎まれ、人に遠ざれらるるなり。その身卑しくまた愚かなるとも、財宝を貯えたるは世の上に敬し挙げられ、楽しみを貴人・高位と等しく極るなり。