太陽市民は、極度の貧困は人間を堕落させ、卑劣・狡猾・泥棒・詐欺・浮浪・嘘つき・は偽証になり、富もまた、傲慢・うぬぼれ・無知・裏切り・冷酷・知ったかぶりなどの原因になりますが、共和制のもとではすべての人が富者にして貧者となります。あらゆるものを所有しているがゆえに富者であり、物に仕えることに執着せず、あらゆるものを所有しているがゆえに貧者なのです。
太陽市民は名誉のためにしか争いませんが、そんなかれらのあいだで、侮辱その他の原因から何か争いが起こったとします。怒りにかられて、つい腕力で相手を侮辱してしまったりすると、統治者「太陽」とその役人により、犯罪者としてひそかに処罰されます。くちさきだけの侮辱なら、いずれ戦争の機械を待って決着をつけます。鬱憤晴らしはただ敵だけに向けるべきだというわけです。そして戦場で武勲にまさる者のほうが、名誉の問題においても理があるとみなされ、他方が負けになります。しかし正義の問題にかんしては刑罰が存在します。ただし、決闘は許されません。自分のほうが理があることを示したいなら、国の戦争においてそれを示せというのです。