一切の生は死という本質にある。
永遠の生命を得たならば怠惰の中になり、
欲望は果てしなく湧き起こる。
無益に一生を費やすことなく、
死の教えを心から憶念することはなんという喜び!
あらゆる財力や権力を幻の王国と見る一方で、
慢心や自尊心、快楽を貪る心や虚栄心を起こすことなく、
それらがどれほど無益かを知る智慧をもち、
出離の意志を貫くことは何という喜び!
いかなる名声であっても、それはすべてはあたかもこだまの響き。
さまざまな言葉で賞賛されるようになるまでのこと。
それは悪い種子が捨てられ非難されるようになるまでのこと。
靜寂の中で、マントラの中でそれを悟ることは何という喜び!
分別という悪しき執著が敵となり、さまざまな心が湧き起こる。
この心の本性を、真の法身を知り、
さまざまな事象を識別し、無作の法身を知るとこは何という喜び!
ユトク・ニンマ・ユンテン・グンポ
「ユトク伝ーチベット医学の教えと伝説」
ユトク・ニンマ・ユンテン・グンポ
「ユトク伝ーチベット医学の教えと伝説」